「天然…純粋鈍感…」
「え…?な、なんて言ったの…?」
まるで呪文のように宏が呟くものだから、うまく聞き取れない。
「悪い子だねって言ったの」
「えっ……」
悪い子。
宏の口からそう言われ、悲しくなる。
「あー、ほら、そんなに落ち込まないの。
いい意味の悪い子だから」
「いい意味…?」
キョトンとしてしまう私。
どうしても宏の言いたいことがわからない。
宏は賢いから、難しい言葉もいっぱい知っているんだろうと思った。
「そう、いい意味。
美羽は可愛いことしすぎ」
「可愛いこと…?」
そんなことした覚えはないけど、宏はよく私に可愛いという言葉を使う。
その言葉は私と程遠い場所にあるっていうのに。



