「それは、まあ……色々あったっていうか、本当に付き合ってないし誤解だから気にしないで!」
付き合っているというのは嘘だから否定するけど、さすがに朝のことは事実だから否定できない。
だから私は曖昧に笑って、付き合ってないことだけを否定することしかできなかった。
「じゃあ桜はなんとも思ってないってことで合ってる?」
「うん!そうだよ、宏とは幼なじみなだけだもん」
一番信頼のできる幼なじみに、ドキドキしてしまってる私がきっとおかしいのだ。
今までこんなことなかったし、宏のことを一人の男の人だって認識することもなかった。
「そっか。それ聞いて安心した」
「えっ……?」
青谷くん、さっきも今と似たようなことを言っていたよね。
どうして安心するのか、不思議でたまらない。



