今更しらばっくれる気らしい。
私は……
、、あー……もう、いいや。
今更抗議したところで取り消されるわけでもなし。
面倒くさくなって、もう何も言うまいと心に決めた。
簡単に母を信じてはいけない。
そう、私は教訓を得た。
「転校も手続き済みだし、明後日から行くのよ」
「ん、分かった」
「もーお、天音は本当に聞き分けがよろしい!じゃあ、荷物まとめてらっしゃい」
「荷物?」
「美里の学校は全寮制なのよ」
「へー…」
「天音が無事旅立ってくれてお母さん嬉しいわ!」
そうか、この世界には娘の旅立ちを涙を忘れて喜ぶ母親がいるんだな。
よし、覚えておこう。

