指を差されて、肩が跳ねた。
困惑しながら楓斗を見て、恐る恐る視線を慶太に向ける。
楓斗の言葉の何が嫌なのか、不服そうに眉根を寄せていて、すごく怖い。
不機嫌なのはずっとそうだったけど、ここにきて、また少し違った顔を垣間見ているような気になる。
「どう見ても明白なのにな?けど、まだ言葉足んねーだろ。
ほら、言ってみろよ。俺と天音が近いのがムカつくって」
顎に指をかけられて上向かされると、楓斗の顔が眼前にあった。
近い、けど……
今は、慶太に対する恐怖心が勝っているからか、全然気にならない。
まるで見せつけるような楓斗は、私の耳元で低い声で告げる。
「羨ましいだろ?でもやんねーよ、こいつは。負け犬はさっさと退散しろよ。見苦しいから」
はっ、と嘲るような笑み。
楓斗の言葉を聞いた慶太が、ついにキレた。
「っざけんじゃねぇぞ!!」
そう吠えると、楓斗に殴りかかる慶太。
楓斗が、危ない。
直感した私が止めに入る前に、楓斗がふっと私から離れた。



