楓斗の意図が分からない。
困惑して、けど、どこにも顔を向けられないまま膝の上で手のひらを握りしめた。
すると、楓斗がぽつり。
「本当に分かりやすいな、お前」
独り言か知らないけど。
その言葉は、明らかに慶太を指している。
証拠に慶太が、また一つ、今度は聞こえるように大きく舌打ちをしたから。
「いー加減にしろよてめぇ。さっきから意味分かんねぇことばっか言いやがってよお。ぶっ殺すぞ」
「全く気付いてないのな」
凄んで睨むけど、楓斗は全然動じない。
「お前さ、さっき一体誰を追ってたんだ?」
ようやく、少し落ち着いたような楓斗が言葉に、頭の中でハテナが舞った。
他の3人じゃなくて、慶太ひとりに定めているように聞こえる問いかけ。
それに、追われてたのは私と理沙子姐さんだ。
はたから見ても分かること。
けど、楓斗の聞き方だと、何だか少し違うような気がした。



