着込んできたから、寒いのはもう平気だし。
今は、せっかくみんなと出かけるということで前向きな気持ちにはなってる。
ただ一点、無理やり連れてこられたことを除けば、私だってこんなにぶすくれたりしない。
「天音、あっちにクレープ売っとるで。買ったろーか?」
……これは、食べ物を与えておけば私ならいけると思われてるんだろうか。
流石の私もいい加減気付く。
いつもその手に乗ると思ったら大間違いだ。
つん、とそっぽを向く。
光邦はというと……
「あ、天音が怒ったわ…。なんちゅう可愛さ!」
なんか目をキラキラさせて喜んでる。
……え、なんで嬉しそう…?
光邦に対する態度はわざととはいえ、そんな反応をされると思わなくて、軽くたじろぐ。
「……おい、大丈夫か?」
本気で気分を害していると、見兼ねた楓斗が顔を覗き込んできた。



