5人の王子とお姫様!








聖は、穏やかに微笑んでいた。



「やっと僕の番だね」


まるで、待ってましたと言わんばかりの表情だ。


「最後に天音ちゃんと踊れるかなと思って、楽しみにしてたよ」


照れるでもなく、至極穏やかに言えるのが聖らしいといえば聖らしい。



「天音ちゃん、疲れたよね」


「うん、少しだけ」


「今日は頑張ってたもんね。お疲れ様」


「……聖こそ、お疲れ様」


2人で微笑み合って、しばらく無言になる。


周りは賑やかなのに、不思議とこの空間だけ別の時間が流れているみたいだった。



「最近、笑うことが増えたね」


「……私?」


「うん。みんなのおかげかな」


「……聖のおかげでも、あるよ」


私が返すと、目を瞬いた聖が珍しく頬を赤らめて笑った。


「参ったな」


「……聖?」


「もう妹なんて呼べないな」


「?それってどういう…」


言いかけた私の言葉を遮るように音楽が止んだ。


フォークダンス終了だ。


名残惜しげな聖は一言。



「また、みんなで思い出を作ろうね」


未来のことを話してくれる聖に、疑問を忘れて私は大きく頷いた。