5人の王子とお姫様!




空が何か言いかけたところで、私から引き剥がしてその口を塞ぐ楓斗。



楓斗、すごく怒った顔してる。


……まあ、別に怖くないけど。


そんなこと言ったらもっと怒るし、言わない。



それよりも、空が乱入してきて助かった気持ちが大きい。


私、何をあんなに恥ずかしがってたんだろう…。


絶対、正気じゃなかった。


ああ、何というか、まだ顔が熱い気がする。



「で、人の部屋に勝手に入ってきて何の用だよ?」


空を解放した楓斗がため息交じりに問う。


楓斗はすっかり普段通りだ。


顔の赤みも引いている。


さっきのは本当、何だったんだろう。



「見てこいって、言われたから」


「はあ?誰に」


「光邦」


正直な空が至極正直に答えると、楓斗はひくついた笑みを見せた。


「あんのやろ、覚えてろ」



状況がよく理解できないけど……


とりあえず光邦、頑張って。



逃げない方が今後の光邦の改善にもなると、あえて口出しはしないことにした。