「や、知らねーよ。つか、帰って早々パソコン使わせてくれって言うから何かと思えば、くだらねー。
琉羽か光邦あたりにでも吹き込まれたのか?」
その発言が大方、的を射ていてぐっと言葉に詰まる。
すごい楓斗。
勘、鋭い。
その通りだと言えば、また盛大にため息を吐かれるに決まってるし。
どうしたものか。
「ち、がうよ?」
とりあえず、否定してみた。
…は、いいけど案の定、誤魔化せなかったらしい。
「……おい、その下手な嘘はなんだよ。せめて自分が疑惑を持たない回答を用意してから堂々と発言してみろ」
気づけば、バカだアホだと言わんばかりの目で見られて頰が少し熱くなる。
こんなの、どうってことないはずなのにな…。
頭をブンブン振って白い目で見られるのもお構いなし。
どうやら自分は嘘をつく才能がまるでないらしい。
もしかして、今まで昴やお母さんに吐いてきた諸々もお見通し……なんて怖いことを考える。
そうして小さく凹んでいると。
「——…ったのか?」
「……え…?」
どうやら話しかけられていたらしい。

