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「そこの板運べー」
「え、どこのだよ」
「そこのだよそこ。…それだっての!」
「で、どこ運ぶんだ?」
「そっちだよ!!」
「いってぇっ!!誰だよペンキ置きっぱにしたの!」
「あ、悪りい。って制服汚れてんじゃねーか」
「あ?」
「やべーだろ。すぐ洗ってこい、落ちなくなるぞ」
「先に言え!!」
文化祭も間近に迫ったある日の午後。
授業もなくHRの時間をたっぷり使って、文化祭の準備に大忙し。
主に大道具を運ぶのは男子に任せて、私は隅で調度品の作成と申し込みに勤しんでいた。
「これは、学校にあるもの貸してもらえる…?」
「んー……ちょっと難しいかも。数足りないって言ってたし」
「なら、足りる分だけ貸し出しで……あと、取り寄せ…?」
「うん、そうだね。
カーテンも多分頼めば借りてこれるから、丸しておこっか」
「うん」

