5人の王子とお姫様!




光邦にからかわれて顔を真っ赤にする楓斗も楓斗で、成長しない。


ため息をつく私に、楓斗は目を向けて軽く笑った。



「ま、俺もいるからな。こいつには悪ささせねーよ」


「……ありがと」


お礼を言うだけで少し、恥ずかしい……。


普段は気にならないのに、この時ばかり気になってしまうのは、きっと……



普段は見せない笑みを浮かべているからだと思う。


貴重な顔。


ファンの子に、いくらで売れるんだろう…。



どうでもいいことを考えながら、空の頭を撫でる。



やっぱり、髪の毛サラサラで気持ちいい。


少しだけ気分が良くなった。



「天音?あーまーねぇ〜」


それを妨害してこようとする光邦には、さっきのこともあって無視を貫き通す。



「よぉ分からんけど、堪忍な。このとーり!」


「……」



無視、無視……



思った矢先。