いつの間に描いていたんだというその紙をもらって、愕然としたのを覚えてる。
浴衣って、こんなのだったっけ…。
お母さんの趣味で、着せ替え人形みたいに様々なタイプの浴衣を取り寄せて着せられたけど、ここまで迫力満点のものは初めてだった。
ある意味すごいことだと思う。
とりあえず胸元が心配だった、けど……
「天音なら乳あるから、そない心配せんでも平気やって」
いらないフォローを受けて、流石に今度は手ずから叩いてやる。
その後、光邦が再び袋叩きの刑に処されたのは言うまでもない。
「つーか、綾瀬的にはどうなんだ、これ」
「あたし?別に、興味ない」
若干引き気味に聞いた楓斗に、スマホをいじりながらチラリとも視線を向けない理沙子姐さんは言葉通り興味なさそう。
「……かわいい…」
ぽけっとした、呂律の回らない声を聞いて振り向く。
寝起きなのか、半目状態で私の後ろからイラストを覗き込んだ空はぎゅっと抱きついてきた。

