何気なく聞いた聖にそれを渡すと、微笑みは一瞬で凍りついた。
おお、すごい…。
「……ふざけてんのか、これ」
「一応、本気…」
横から覗き込んだ楓斗が眉間にシワを寄せるのを見て、ひっそり呟く。
もちろん、そんなの誰も聞いてない。
「なんや?…って、うっはぁあ!!」
更に介入した光邦が興奮した声を上げるのを見て、場が白けたのは間違いない。
おかげで全員が現実に戻ってきた……けど。
「ちょっと来てくれるかな?」
「今なに想像したんだ?あ?」
「どすけべ光邦っ」
言わずもがな、光邦が袋叩きの目に……。
でも、まあ皆が驚くのも無理はない。
なんか、すごく胸元の開いた、先述の通りミニ丈のフリル付きの浴衣。
なのに袖は長くて、腕を曲げて手で押さえないと手元が隠れるような仕様……らしい。

