ほわあ、と気がほぐれた私にかけられたのは、容赦ない一言。


「アホ面」


3文字で収めて再び紅茶を口に含む、童顔で口が悪い楓斗をじっと睨みつける。



さっきも聖に続いて文句を言ったのは彼に他ならない。


私の視線なんか、気にも留めない。


いいもん、空に慰めてもらうし。


と、空の隣に移動しようとした時。



「あーまねぇええっ!!俺はアホ面思おてへんからな!?」


「うるさい」


耳元でこれでもかってくらい大声で喚く関西弁の光邦。


ぴしゃりと言い捨てると、しゅんとして下を向いた。



……じ、自分のせいだし……。


あくまで私に非はないと言い聞かせる。



「ところでどんな浴衣を着るのかな?」


「んっとね……こんなのって言ってた」


「……え゛…」



足元に置いた鞄から、さっきクラスメートに渡されたイラスト図を出してくる。