言いながらちらりと転校生を盗み見る琉羽。


まずい、と思った瞬間。



「あ、ははは……ははっ」



楽しそうな笑い声に、全員一致で目が点になる。


身構えてた体の力が抜けて拍子抜けした。



「あんた達もう、はは、あははは……あー、もう」



すごく、楽しそうな転校生。


意味不明な現状に頭にはクエスチョン。



「あたし、綾瀬理沙子ってちゃんと覚えてよ。これから同じ寮生なんだから」


「……はあ」



さっきとは打って変わった明るさに圧倒されて出た、気の抜けた返事。


よく、分かんない……。



「あの童貞くんとは馬が合いそうにないけど、あんた達なら仲良くできそうな気がする」



童貞くん…。


光邦、哀れ…。



同じことを思っただろう琉羽と楓斗も渋い顔。


「昼間はジロジロ見ちゃったね。私と同じ女子がいるのが珍しくてさ。まあ、よろしく」


グロスののった唇で、女の私でも見惚れるほど綺麗に微笑む彼女。


ね、姐さん…!


密かにそんな呼び名で呼んだことは内緒だ。