5人の王子とお姫様!




「それにしてはあまりにも物騒だったけれど」


「聖、ダメ」



まだ何か言いたげな聖にストップを出す。


これ以上はオタクくんが可哀想だ。


精一杯、聖を牽制する私に当の本人はため息をついた。



「……分かった。もう何も聞かないよ。それでいい?天音ちゃん」


「ん、それでいい」



比較的揉め事が嫌いな私は、それに同意した。


何より、真っ直ぐに気持ちを伝えてくれたオタクくんには、怒りも何も湧いてこなくて。


これっきりで丸く収まるなら、それが一番いい。



「じゃあ行くぞ」


「え……ちょっ…」


グイッと腕を引っ張られて立ち上がる。


もっと遊びたいのに…。



その名残惜しさから、掴む手を払おうとした。


けど、それよりも先に楓斗が先手を打つ。



「もう名前で呼んでやんねーよ?」


なんて言ってくるから、その顔を思いっきり睨んでやる。


そういう言い方、ずるい。