5人の王子とお姫様!




そんな琉羽と光邦のあとに、深いため息を吐いた聖。


一人だけまだピリピリした空気をまとってる。


「でも、彼には聞かないといけないことがあるよね?」


「……まあ、そうだな」


聖の言葉に少し考えたのち、同意する楓斗。


聞かないといけないこと…?



「どうして天音ちゃんを連れ去ったのか」


「そ、それは……」


言い淀むオタクくんは、少しだけ頰を赤らめた。


「その…好きが、溢れてしまって……」


「何やそれ。不器用か」


ズバッと光邦の言葉がオタクくんに突き刺さる。



「あとは、どうしてあんな不穏な手紙を送っていたのか、だね」


「……う、羨ましくて。ぼ、僕も仲良くしたかったけど、話しかけるタイミングがなかった、から…。
だって、柳瀬さんはいつも、誰かしらと一緒にいるから…‥は、話しかけられなくて……」



なるほど。


正直な気持ちをしたためた結果、あの手紙の内容になるのか…。


私自身、ようやく気付いた。


オタクくんは、ピュアなだけなんだと。