その顔、絶対分かってるはずなのに……
何ですごくご機嫌なの?
部屋に入ってから忘れ去られたような琉羽に目をやれば、明後日の方向を向いていた。
「他人のふり、他人のふり」……って、念仏のように呟いてる。
そうして、離れない空に半ば諦めて光邦を見ると。
「……」
明らかに一瞬ほくそ笑んだ姿が確認できた。
その後は、空の頭をポカポカ叩き、何とか脱出成功。
「チッ……おもろないわ…」
「…なんて言った?」
「なーんも言うてない」
悪びれた様子もない光邦に、はっきり言ってムカッときた。
言い返そうとするも。
「もう何でもいいだろ。見つかったんだからいいんじゃねーの?」
見兼ねた楓斗によって、険悪ムード漂う状況が一変した。
「んー…まあ、そうだね!」
「ま、しゃあないなあ」

