「え……そう、なの…?折角用意したのにな……」
残念がる彼は、カードゲーム一式やオセロ盤とかを後ろに追いやる。
かわりに出してきたのは、型落ちした昔のゲーム。
それをテレビに接続して、差し込んだカセットは2人用の格闘ゲーム。
ゲーム感くすぐられるそれに、思わず前のめりになってしまった。
「やりたい」
最近ゲームなんてやってなかったから、感激のあまりコントローラーの持ち方も忘れてしまうほど。
「やり方っ…教えて」
ゲームスタート。
ウキウキ気分でボタンを連打していたら、あっという間に敗退した。
「もっ、もう一回……!」
意地になって挑戦しても、結果は同じ。
何度やっても敗退記録を塗り替えられないでいた。

