** それは、有無を言わさず連れてこられた部屋での出来事。 「楽しいことしようよ。ほら、ね?選んで」 「…え、そんな…」 じりじりと迫ってくるオタクくんに戸惑う声が漏れる。 なんて言えばいいのか、しばらく口をモゴモゴさせていたけど。 「でも、私は……」 ようやく開いた口から飛び出た言葉。 「テレビゲームの方がいい…」 だから、楽しいこと……って、そんな事言われても困る。 トランプとか、UNOとかの気分でもないし。 自分の提案がまかり通るか不安で、その顔を覗き込んだ。