「1年E組…垣…太郎…?」


「何だよ、送り主の名前か?」


「そうらしいけど…」


そんな聖と楓斗の会話で顔を上げる。



垣…太郎…。


「俺、その名前聞いたことあるで」


「え、みっつーそれ本当…?」


「確か、E組の落ちこぼれ言われとる奴で……」


そう、それは確か……



「天音が、歓迎会ん時に庇っとった奴」


「……え?それって、あの時天音が庇わなかったら水かけられてた…人?」



驚く琉羽に頷いてみせる。


すると、聖の目も見開かれた。



「それじゃあ……それから天音ちゃんに手紙を送り続けていて、今の現状だとしたら…」


「もしかしたら天音も返事を出してたかもね…。そういうの疎そうだし」



一人の人物に浮かび上がってくる想像と疑惑。


同時に、そこまで執着する奴に危険を感じた。


天音が…危ない…。



「ご丁寧にクラス名前書きおって……モロばれやんか」



そう言って、教室を出て走り出した。