聞こえたチャイムの音にも、まぁいいかって思ったりした。
一回くらい授業にでなくてもいいや、とさほど気にしなくなった。
それよりも、いつまで続くんだろうこれ。
そう思い始めた頃。
「っ……邪魔…すんなっ…!!」
そんな声がして、いつの間にやら周りを蹴散らしてずんずん歩いてくる楓斗。
その凄まじい必死な形相にゾッとして、思わず逃げ出そうと後ずさり。
けど、すぐ引き寄せられて前のめりにバランスを崩した。
その体は必然的に楓斗に倒れこむ形で抱きとめられて。
一瞬固まってから、離れようとするも時すでに遅し。
さっきみたいに肩を掴まれて身動きとれない。
……というか、力が強すぎて痛いくらい。
ああ、もう……
どうしようかと考え出した時。
「お前のことはっ、嫌いじゃねーよっ!!」
「………へ」

