5人の王子とお姫様!




首を傾げて待つこと数秒。



しばらくして、楓斗がおずおずと口を開いた。


「俺、女が嫌いなんだけど…」


「……ん?うん、そう…だね…?」


今更過ぎる言葉に、楓斗の意図がますます分からなくなってくる。



そんなこと、知っていると言いたかった。


わざわざそんな、分かり切ったことを言うためにここに連れ込んだなら、内容自体に生産性がない。



「それがなに?」


焦る必要がなくなったからか、少し勝気な心持ちでその顔を見上げれば、どこか不機嫌顔の楓斗。


お、何だやるか、と半ば力むと……


両肩をガッと力強く掴まれて、一瞬動きが鈍った。


「っ…だから、俺は……っ」



ガラッ…――


何かを言おうとした楓斗の言葉を遮ったのは、再度開いたドアの音。


それと。


「くぉーらジブン!何やっとんじゃあ!!」


よく聞き慣れた関西弁。