目を泳がせながら言い訳する私の言葉に被せるように、楓斗は面倒くさそうにそう言った。
別に聞くつもりがない……?
じゃあ、楓斗は何でこんなところに連れ込んだんだろう。
何か話があるからじゃないの…?
てっきり朝のことを追及されるのかと思ってたのに。
「俺は聖じゃないから、そんなことどうでもいい。だから別に、お前が言いたくないならそれでいいんじゃねーの?」
手を頭の後ろで組む楓斗を改めて見ると、欠伸を漏らしていた。
本当に興味なさそう。
「じゃあ、なんで…?」
「……だってお前、まだ、ほら…勘違いしてるだろーから…」
ただ訂正したいだけ、と淡々と言う楓斗に困惑するばかり。
妙に歯切れも悪いし、つまり何が言いたいんだろう。
「勘違い…?」
聞くも何故だか口を開かず。
どことなく、楓斗の顔が赤いのは気のせいだろうか。

