5人の王子とお姫様!




「……これ、拉致っていうの…?」


「ちげーし」



一応冗談を言ったつもりだったけど、どうも伝わらなかったらしい。


まあ、こうして連れ込まれるのも2回目だからそこまでの驚きはない。



ここに連れ込んだ張本人、楓斗を見る。



どうやら、朝の件で相当疑われてるらしい。


楓斗は感が鋭いから、隠すのにも苦労する。


さて、どうやって誤魔化そう。



そんなことを考えつつ、何も言わない楓斗を見つめる。


「……」


「……」


無言の時間が長過ぎる。


ええっと……どうしたらいい…?


私から声をかけるべき…?



無言の時間が続くほど、背中には嫌な汗が流れる。



「……疑ってる…?」


「ああ」


間を置かず帰ってきた言葉に意外にもショックを受ける。


「ええっと……別に何も隠してないよ?」


「別に聞くつもりなんてねーよ」