「まさか……天音ちゃん…」
ここで2人に出くわしたことで、頭の片隅にちらついていたこと。
ハッキリとじゃないけど、きっと聖は勘付いてる。
それが、前に見つけた手紙と繋がりがあるんじゃないかって。
「違う」
これはマズイと直感的に感じた私は即座に否定する。
聖をまっすぐに見据えると、同じように見返してくる。
嘘偽りの言葉。
顔に出てないといいんだけど…。
「……そっか…」
どうにか誤魔化せたのか、聖は渋々ながらに、視線を外して頷いた。
だけどその顔は呆れたようにも見えて。
やっぱり困らせていることを知って、複雑な気持ちになった。
隣の楓斗も眉をひそめていて、まるで私の動向を探ってるみたい。
バレるかどうかの瀬戸際で、冷や汗が流れる。

