5人の王子とお姫様!




「まさか……天音ちゃん…」


ここで2人に出くわしたことで、頭の片隅にちらついていたこと。


ハッキリとじゃないけど、きっと聖は勘付いてる。


それが、前に見つけた手紙と繋がりがあるんじゃないかって。



「違う」


これはマズイと直感的に感じた私は即座に否定する。



聖をまっすぐに見据えると、同じように見返してくる。


嘘偽りの言葉。


顔に出てないといいんだけど…。



「……そっか…」


どうにか誤魔化せたのか、聖は渋々ながらに、視線を外して頷いた。


だけどその顔は呆れたようにも見えて。


やっぱり困らせていることを知って、複雑な気持ちになった。


隣の楓斗も眉をひそめていて、まるで私の動向を探ってるみたい。


バレるかどうかの瀬戸際で、冷や汗が流れる。