そんなわけで見にきたE組の教室。
昼休みに一人残される琉羽が不審がって追求してきたけど、なんとか巻いて来た。
E組は制服を着崩す生徒が多くて、少し光邦みたいだと思った。
いやに突き刺さる視線とひそひそ声が鬱陶しい。
早く戻ってお昼を食べたい…。
そんなことを思いながら教室を見回すも、誰か分からない。
「あの…」
「…うぇっ!?おっ、俺っすか!?」
「うん」
仕方なく、近くで雑談していた生徒に声をかける。
「垣…って人、いない?」
「………垣…太郎のことっすか」
「うん」
声をかけてドギマギした様子だったその人は、一瞬で眉を顰める。
なんで…?
首を傾げていると、その生徒は一点を指差した。
「……あいつ」
その先には、窓際で丸くなって本を読む一人の男子生徒。

