5人の王子とお姫様!




そんなわけで見にきたE組の教室。



昼休みに一人残される琉羽が不審がって追求してきたけど、なんとか巻いて来た。



E組は制服を着崩す生徒が多くて、少し光邦みたいだと思った。



いやに突き刺さる視線とひそひそ声が鬱陶しい。


早く戻ってお昼を食べたい…。


そんなことを思いながら教室を見回すも、誰か分からない。



「あの…」


「…うぇっ!?おっ、俺っすか!?」


「うん」


仕方なく、近くで雑談していた生徒に声をかける。


「垣…って人、いない?」


「………垣…太郎のことっすか」


「うん」



声をかけてドギマギした様子だったその人は、一瞬で眉を顰める。


なんで…?


首を傾げていると、その生徒は一点を指差した。


「……あいつ」


その先には、窓際で丸くなって本を読む一人の男子生徒。