知られたら、聖あたりにこの手紙を没収されるかもしれない。
それを防ぐために、空には黙っていて欲しかった。
どうしても、この手紙を奪われたくなかった。
「天音」
「……」
「大丈夫…。言わないから」
「っ……ほんと?」
「ん…」
頷く空の好意に安堵して、いつのまにか握りすぎてシワができた手紙から力を抜く。
「天音、会いに行くの…?」
「……行こうかなって、思ってる」
「じゃあ、俺も一緒に行く」
心配させてる…?
それとも、空の気まぐれ…?
でも、黙っていてくれるならと承諾した。
この時、何を思って空がついて来ることにしたのかは分からなかったけど。
私にとっては頼もしく感じた。

