「お前のこと考えてやれてなかった。俺の言ったこと全部押し付けだったな。だから、悪かった」
「え、っと…」
「だから、俺の思ってることちゃんと言う。その上で嫌なら否定しろ」
ふ、と一つ息をこぼして私をまっすぐ見つめてくる。
その瞳から目を逸らせなくて、こくりと小さく頷いた。
「お前が弟のこと大事にしてるのはもう嫌ってほど分かってる。そんで怖がるのはいいけど、行動しないと何も分かんねーままだろ」
「…っ分かる、もん…」
「そうやって決めつけてるだけかもしれないだろ?」
「決めつけ…」
そうなんだろうか。
私は勝手な気持ちを昴に抱いて怖がってるだけ…?
ちゃんと聞けない私がやっぱり悪いの…?
「楓斗、私…」
思わず、縋るような目を楓斗に向けてしまう。
救われなくていいと思いながら、この局面で救いを求めてしまう私は自分の在り方が分からなくなってしまった。

