5人の王子とお姫様!




辛いのも、苦しいのも、私だけでいい。


お願いだから、甘やかさないで。


私を庇って、傷付かないで欲しい。



また自分が、すごく暗い顔をしてるのが分かる。


楓斗はしばらく黙って私を見つめていたけど、呆れたように眉根を寄せる。


「分かんねーな。お前は何を怖がってんだ?お前、一人で全部しょい込めるほど強くねーだろ。少しは周りに頼ってもいいんじゃねーの」


「……っダメ、なの」



周りに頼る?


ダメ、ダメ。


頼ったら、私は甘えることに慣れてしまう。


そしたら、今度はその人が傷つくかもしれない。


そしたら、私はその人が傷ついてることに気付けるの…?



「絶対、ダメ。だって、私が全部忘れちゃったら……っ」


だめ、その先は言っちゃダメ。


それを自覚したら、私は……



「私だけ忘れちゃったら、昴だけずっと辛くて苦しいままなの…っ」