5人の王子とお姫様!




多分、海を見てるのか後ろ姿しか見えない。


楓斗が一体どんな顔をしてるのか、ここからじゃ分からない。



言われたことの意味を考えて、けどやっぱり何を言われたのか分からない。


「ここ来た時、すっげー顔暗かっただろ」


「……そんなに?」


はたから見ても分かるくらい顔に出ていたんだろうか。


「悪夢でも見たのか?」


「…っ」


ぎしり、と忘れかけていたことを思い出して、心臓が嫌な音を立てる。


当てずっぽうかもしれない。


だけど、それでも、どうしてそう思うの。


どうして分かるの。



振り返って私を見る楓斗は、無表情だった。


探っているわけでも、訝しげに眉をひそめているわけでもなく。


ただ、じっと私を見る。


「図星かよ」


マジか、と呆れたようにため息をつく楓斗。