5人の王子とお姫様!




私、今笑えてたのかな……。


口角が上がっていたのが自分でも分かって、それに驚かれたことも分かってる。


何でだか恥ずかしい気持ちになって、それを隠すように話しかける。



「聖、物知りだね」


「……ああ」


若干、たじろいだようにそっぽを向いて、ぶっきらぼうに返してくる楓斗の様子がおかしい。


驚いたのは分かったけど、そこまで…?



感情がないわけがないし、私にも笑う権利くらいあるもん。


生返事だけ返してきた楓斗に、ちょっとだけムッとする。


会話を続けるつもりはないらしい。


喋るのが得意じゃないけど、頑張ったのに。



やっぱり私とは話していたくないんだ。


楓斗を不快にさせてまた嫌われるのも嫌だったから、諦めて中に入ろうとした。



「笑えてんならいいけど、少しは元気出たか?」


「……え?」


踵を返しかけた足を止めて、振り返る。