5人の王子とお姫様!




「あれ、月のすぐ下の海面に光が映り込んでるとこあるだろ。月の道っつって、実は滅多に見られないんだとよ」


「へえ…」


そうなんだ。


そんなこと、楓斗が知ってるのは意外だった。



そんな私の考えてることを見透かすように、楓斗がムッスリした顔になる。


また顔に出てたのかな…。


別に、楓斗を貶したわけじゃないんだけど。



「聖に聞いたんだよ。あいつに聞いたら何でも答えてくる。気になったことは調べ尽くさねーと満足できない性格だからな。
つか、知らねーことの方が少ないんじゃねーの。もはや歩く辞書だな」


歩く辞書……


「ふふ…」


思わず、笑ってしまった。


そのフレーズに対してじゃなくて、ムッスリした顔の楓斗の口から聞いたのが面白くて。


ふっと顔が緩むのを感じる。



「あ……」


驚いた顔の楓斗を見て、すっと表情を戻す。