5人の王子とお姫様!




そんなことを考える私をよそに、楓斗がポツリと呟く。



「……心配、したんだぞ。マジで…」


「え」



楓斗が、心配?


心配してくれたの?


……私を…?



あんぐり口を開けて凝視する私の視線に、一呼吸置いてハッとしたような顔をした楓斗。


気まずそうに顔を俯けて目を逸らすと、何やら取り繕うように喋り始める。



「し、心配、してたんだよ、他の奴らが。俺は、別に……」


「……」


……目、泳いでるけど。



これは流石の私でも分かる。


みんなもきっとそうだけど、楓斗も心配してくれてた。


……気にかけてくれてた。



迷惑をかけたという、いつもの後ろ向きな考えは全くなくて。


じんわり、染み込むように嬉しさが込み上げてくる。


不思議、すごく。


取り繕ってもありありと分かる、気遣いとか、優しさとか。


心がぽかぽかと、あったかい。