びっくりした……。
目を瞬かせて、その場で固まる。
数秒間見つめて、ようやく冷静になった。
そっか、楓斗がいたから窓が開いてたのか。
そんなことを思いながら、楓斗の視線の先を追うように見る。
別荘の周囲を囲む森と、そのすぐ先に浜辺が見える。
目と鼻の先にある海に月が反射してて、すごく綺麗だった。
思わず見入って、そのまま身を乗り出す。
触れていた窓が開いて、カタン、と音を立てた。
「…!?」
ばっ、とこっちを向いた目と視線がかち合った。
うっすら口をあけてこっちを凝視してくる楓斗。
ほんの数秒目を合わせてただけだけど、何だかくすぐったくなって私から目を逸らす。
それでもまだ視線を感じる。
……なんだろう。
なんか、ムズムズする。
居心地悪いとかじゃなくて、なんか……恥ずかしい。

