何かと思って光の出どころに目をやると、バルコニーに続く窓辺にかけられたカーテンが開いていた。
なんで、あそこだけ…。
首を傾げながらカーテンを閉めようと窓辺に近付くと、緩い風が頬に当たる感じがした。
「…?」
窓、開いてる?
無用心…。
このあたりに、他に人が住む家や別荘はない。
だから平気ってわけでもないけど、流石に防犯意識の低さに呆れる。
けど、そういえば……と、寮のみんなも来ていたのを思い出す。
聖とかはそういうの気にするだろうし、ただ忘れてただけかもしれない。
それはそれでどうなんだろう、と思うところはあるけど。
私自身、抜けてる自覚はあるし人のことは言えない。
なんだ、忘れてただけか…。
勝手に納得しながら、窓に触れると……
バルコニーには、両腕を組むように手すりに寄りかかる楓斗がいた。

