思い出したくない。
もう誰にも、自分にも振り回されたくないのに。
どこまでも弱い私は、人の目を気にして、人の言葉を気にして生きている。
いまだに過去のことを引きずっている。
所詮過去のものだと吹っ切れて、今が楽しいんだと思えたらどれだけ幸せだろう。
……できない。
楽しい時は楽しいと、そう思うように努めても、ふとした瞬間に暗い部分が顔を出す。
いつも、何をしていても、どれだけ心から楽しんでいても、私はうまく笑えない。
怖くてたまらない。
思い出したくないし、もう苦しみたくない。
それでもどこかで、自分を追い詰めてしまう私がいる。
忘れることを許さない、そんな私がいる。
だって、辛いことも苦しいことも全部忘れちゃったら——…

