5人の王子とお姫様!



思い出したくない。


もう誰にも、自分にも振り回されたくないのに。


どこまでも弱い私は、人の目を気にして、人の言葉を気にして生きている。


いまだに過去のことを引きずっている。



所詮過去のものだと吹っ切れて、今が楽しいんだと思えたらどれだけ幸せだろう。


……できない。


楽しい時は楽しいと、そう思うように努めても、ふとした瞬間に暗い部分が顔を出す。


いつも、何をしていても、どれだけ心から楽しんでいても、私はうまく笑えない。



怖くてたまらない。


思い出したくないし、もう苦しみたくない。


それでもどこかで、自分を追い詰めてしまう私がいる。


忘れることを許さない、そんな私がいる。



だって、辛いことも苦しいことも全部忘れちゃったら——…