「え、天音倒れちゃったの!?大丈夫……じゃ、ないよねそれ!?」
「熱中症か!?やったら冷えた飲みもんと、タオルと……あと何が足りひん!?」
詰め寄ってくる琉羽と光邦と、あたふたしながら指折りに必要なものを話し合う。
同じ状態の3人で、まとまりがつくわけもなくて。
結局、その場をまとめたのは聖だった。
「3人とも、一旦落ち着こうか。とりあえず空、天音ちゃんたちのところに案内してくれる?」
言いながら、必要なものをテキパキと袋に詰めていく。
「空?」
立ち上がって促す聖に、はっと我に返って来た道を振り返る。
「…!あ、こっち…」
言いながら、行く先を指差して案内する。
気がはやって、小走りになりながら、途中でけつまずきながら。
何度もみんながついて来ているか確認して、また小走りで。
駆けてることに気付いて、また歩幅を緩めて後ろを振り返る。

