5人の王子とお姫様!



聖みたいに人に寄り添えないし、琉羽みたいに相手の気を緩ませて和ませることもできない。


光邦みたいに明るく、そこにいるのが当たり前みたいな存在にもなれない。



咄嗟の時に体が動かなくて、さっきも楓斗に先を越された。


一番に守りたかったのに。


こんなこと考えてる俺はもう、気持ちの上で負けてる。


楓斗みたいに、自分が正しいと思ったことを理解して、考えるより先に行動に移せない。



それでも……



やっぱり、天音は大切な子……だから。


俺の、特別。


怖がられても避けられても、嫌われても、それでもやっぱり天音が好き。



天音のために俺ができることなら、裏方でも構わない。


多分、それじゃあ満足できないけど。


今はまだ、俺の特別が天音の特別じゃなくてもいいから。