昔から俺は、勝手気ままに生きてるほう。
やりたいと思ったことをやって、それ以外はどうでもいいし興味ない。
もともと運動はできたほう。
勉強も、大して苦労したことはなかった。
それは、必ず答えがあるものだから。
そこにあるものだと疑わなくていいものだから、難しく考える必要なんてない。
そうやって、普段は自分の好きなように食べて寝て行動できるのに。
今は、それよりも大事なものがある。
天音のためなら、何でもしてあげたくなる。
体育祭の時。
天音を助けた時は、“助けたい”と思ったから動いた。
“守らないと”
そう思ったら、自然とやるべきことが分かってた。
事実、天音はお礼を言ってくれたし、それが間違ったことじゃないって認められた気がした。
だけど、あの時きっと天音には怖がられてた。
いつも美味しいものくれて、優しく頭を撫でてくれるのに、笑ってすらしてもらえなかったから。

