「はは。ただのハッタリだよ」
「ハッタリ?」
「とある情報筋でね、天音ちゃんに何かしようとしてたのは本当だと思うよ。後半の僕達への報復については勘だったけど、流石に限度があるから賭けではあったよ。まさかああも簡単に信じてしまうとは思っていなかったけれどね。
第一、そんな便利な力があるならもっと有効的に使うよ。
わざわざ事前宣告するなんて、勿体ない。折角なら徹底的に追い詰めて分からせてあげたいね」
「……ひ、聖がなんか黒いよ…!」
笑顔で言ってのけるのだ、流羽が身を震わせるのも無理はない。
それだけ聖も我慢の限界だったということだろう。
「……お前、途中から面白がってたろ」
「はは、まさか。これでも怒っているんだよ。天音ちゃんがいなくなって、僕も少し焦っていたところでね。
ちょうど腹に据えかねていたから、こんな馬鹿げた茶番をしてはみたけど、まさか本気にするとはね。本当に扱いやすい人たちだった」
「本当かよ…」
今楽しそうに話してるやつの言葉じゃねーけど。
ジト目で見やる。

