「チッ……覚えてろよ」
流石に状況を察したのか、ボソッと呟いて去っていった。
去り際にドン、とぶつかってこられたけど突っかかって行くほどバカじゃない。
光邦が般若の顔で睨んでいたけど、なんとか堪えていた。
……ん?
いたのは、あいつら3人だけだと思ってたけど……
大人しめな女が申し訳なさそうな顔でペコリと頭を下げてきて、奴らを追いかけていった。
……仲間か?
にしては地味だな。
明らか不良の中にいそうな感じじゃない。
さして大きな問題でもないのに、どこかモヤモヤした。
つか……
「聖、お前何したんだ」
呆れて聖に視線を向けると、さっきと一転、いつもの笑みを返してきた。
「なんや、聖にけったいな力があったなんて全然知らんかったわ」
感心したように光邦が言う。
…いや、んなわけあるか。

