「あとは、そうだな。言いたいことをはっきりさせて、理解できるレベルまで言語化してほしいかな。何しろ、頭の弱い低俗な人たちの言葉を日本語に直すだけで骨が折れそうだからね」
「あぁ!?テメェ、すかしてんじゃねぇよ!!」
「そういうつもりは全くもって無いよ。
ああ、でも言語化はできなくても思考は見えるかな」
怒鳴り散らす相手に、思い出したように言った聖は何やら含んだ笑みを見せる。
「君たちの醜悪な表情からも容易に窺えるけど、それだと証明にはならないからね」
言うが早いか、じっくり奴らを眺めて楽しそうに笑みを深める。
……なんだ?
聖の意図が分からない。
「……へえ、そうなんだ。はは、本当に読みやすい思考だね」
「あ?」
「なるほど。この後、追いかけて天音ちゃんを酷い目に合わせるんだね」
「…っ!!」
聖の言葉に、奴らの顔が驚愕に変わる。

