得意のぶりっ子口調で美奈江が招き寄せた人物に体が凍りついた。


どうして……あんな人も来てるの…?


会いたくない、会いたくない会いたくない…


お願い来ないでっ…



そんな私の必死な思いは打ち砕かれる。



「あぁ?んだよ、面白ぇもんって……あ?お前、柳瀬じゃねぇか」



低く凄みのある声に、身が縮む。


ピアスだらけの耳と傷みきった茶髪、チャラい外見の慶太。



中学では不良グループのリーダー格で、美奈江と加菜と一緒になっていじめをしていた。



標的になった人は数知れず。


不登校になった子は二度と学校には姿を見せなかった。


そして、それは私も例外じゃない。



自然と震える手に、昴が小さく力を込めてきた。



「へぇー…ひっさしぶりだなぁ。どうだったよ、俺たちから逃げてまで転校した学校はよぉ。またハブにされたか?」