だって、今の琉羽……絶対本気だって思った…。 ぱっと手を離した琉羽から少し距離を置いて腕をさする。 「あはっ、そーんな恨めしそうに見ないでよぉ。 いーよ、また後で誘うねっ」 じゃーね、と言いながらウインクをして去っていく琉羽は、悔しいけどやっぱり可愛い。 嵐の如く走り去る後ろ姿は、あっという間に人波に消えて行った。 ……今の琉羽は、いろいろ心臓に悪い。 厄介だな、と私は少し憂鬱になるのだった。 どことなしか顔が熱く感じるのは、きっと気のせい。