聖に頼まれて光邦のお目付け役をしている楓斗は、小さな子供を相手にしているみたいで。
さながらお守りだ。
その役目を押し付けられたのが私じゃなかったことにほっとしながら、一人アイスを頬張って至福を貪る。
美味しい、冷たい…。
足を伸ばして気分は完全にリラックスモード。
これで邪魔が入らなければ。
「あーまねっ」
入らなければ……
「ねえねえ、天音。一緒に遊ぼー?」
うん、入らない。
大丈夫、何も聞こえないもん。
聞こえない。
聞こえ……
「あーまーねぇー。ねえねえ~」
着ているパーカーの袖をぐいぐい引っ張られて私はあっさり観念した。
聞こえてしまった、悪魔の声が。
「……なに」
「やぁっと返事してくれたぁ~。ね、あっちで遊ぼ?」
「やだ」
琉羽の誘いに即答して、つんと顔を背ける。

