5人の王子とお姫様!




いくら私が疲れた、面倒くさいって思っても汲んでくれる人がいないのも事実で。


それ以前に気付かれないことのほうが多い。


だから最終的に諦めると、いつの間にか流れに乗っているのだ。



こういうイベント事に関して、誰よりも強い決定権を持つ琉羽と光邦。


いつもは一蹴されて終わりのくせに、執念って怖い。



それにしても……



「なんで、海?」


別にどこに行くとかどうでもいいけど、他になかったのか。



「実はね、明後日お父さんが日本に帰ってくるのよ」


「……え、お父さん…?」


「えー…父さんが…?」


お母さんの言葉に、私と昴は似たような反応を返す。


後ろで「おおー」と珍しいものを見たと言わんばかりの若干2名は放置。



帰ってくる。


常に海外を飛び回って滅多に家に帰ってこない、エリートビジネスマンの父が。