5人の王子とお姫様!




そこで、一人掛けに座るお母さんがカップを置いて突然の宣言をした。



「海、行きましょ」


……うん、慣れた。


お母さんの暴走は今に始まったことじゃないから。



過去にも思った心の声を反芻する。


今までもいろんな前例があるからさほど驚かない。


いつものことだと割り切って、平然と飲み物を啜る私と昴。



「はいはーい!僕行きたい!」


フリーズする面々を押し退けて真っ先に挙手したのは、お祭り大好き、騒がし要因の片割れ・琉羽。


言うと思った。


大抵、琉羽が乗り気になると場の空気が流される傾向にある。



「俺も賛成!海なんて滅多に行かへんしなぁ」


まずは光邦がそれに乗っかって。


「も、何でもいい……」


楓斗は疲れたように投げ出すか、抵抗して敵わないかの二択。


聖と空は基本その意向に従う。



……というのが主な流れだけど。


今回も見事その通りの結果になった。