5人の王子とお姫様!




さすが、兄らしい。


私でも知ってるような有名なお店のお菓子を提げてきて、振る舞いも文句なし。


と同時に、はっとした。


いけない、とお母さんを盗み見る。



「もーお、いいのよ。気にしないで!
ほら天音、しっかりしたいい青年じゃなーい!!もったいぶっちゃって、もう!」


言いながら、バシッと背中を叩かれてよろける。


案の定の大興奮に、返す言葉もない。


……お母さん、力強すぎる。




その後、リビングでお母さん日課のお茶会タイム。


今日は上等の、香りの良いダージリン。


聖の手土産と、お母さんが作った本人ご満悦のマドレーヌがテーブルに並ぶ。



……美味しい。



聖が持ってきた詰め合わせの中でもお気に入りのクッキーにかじりつきながら、紅茶をしれっと飲む皆をじいっと眺める。


味気ないのに……みんな、大人だ。


手の中のオレンジジュースが子供っぽく見える。