ぎゅっと軽く抱きしめて、わしゃわしゃと頭を撫で回す。
昴はというと、私の手の動きに合わせて頭を揺らしてされるがまま。
「ん、いい子。昴はいい子」
「はいはい」
「だから好き」
「……分かったから」
あ、今照れた…?
表情を隠すように顔を埋めてくる昴の行動に胸がキュンと高鳴る。
貴重な昴のデレをゲット。
これは、寮のみんなを連れてきてお母さんのタックルを受け止めた私へのご褒美?
すごく、すっごく嬉しい。
けど……残念、シャッターチャンス逃した。
もっとも、この状況でカメラなんて構えても先に逸らされそうだけど。
「ねーえ、キミだぁれ?」
と、いつの間にか側に来ていた琉羽。
いつもより低い声で、昴を威圧するように見つめるその瞳はどこか挑戦的に見えた。
琉羽、昴に喧嘩売ってる……?
昴を引き剥がして、後ろから首に腕を回してくる琉羽を不思議に思いながら眺める。

